2025年11月、ダイナースクラブ公式サイトでANAダイナースカードおよびANAスーパーフライヤーズカードの年会費改定が正式に発表されました。

こちらの記事もどうぞ!「ダイナースクラブカード年会費改定まとめ|ANAダイナース据え置きの理由と“元が取れる”使い方」」
これまで「ANA提携カードだけは据え置き」と言われていたため、多くのユーザーにとって予想外のニュースとなりました。
以前、当サイト(YouTubeチャンネル「アラフィフのいわっさん」)では、「ANAダイナースだけが値上げされない理由」を解説しましたが、今回はその前提が覆った形です。
この記事では、実際の改定内容を整理しながら、なぜ“据え置き説”が外れたのかをファクトベースで考察します。
ANAダイナースカード年会費改定の内容
まずは、今回発表された4種類のANAダイナース系カードの改定内容です。(出典:ダイナースクラブ公式サイト/2025年11月時点)

通常カードで+3,000円、プレミアムカードで約27,000円の値上げです。
これにより、ANA提携カードも本家ダイナースと同等の料金体系に統一されました。
「据え置き説」が生まれた理由
前回の年会費改定では、ANAダイナースだけが対象外でした。その際に挙げられていた理由は3つあります。
① ANAとの提携契約による独自設定
ANAダイナースはANAと三井住友トラストクラブの共同契約に基づくため、他ブランドのように単独で料金を変更できなかった可能性があります。
② SFC会員・修行層への配慮
ANAダイナースはスーパーフライヤーズ(SFC)会員が多く利用しており、上級会員の維持を目的に一時的に据え置かれていたと考えられます。
③ ブランド改定の緩衝期間
2024年時点で進められていたダイナース全体の年会費改定の最終段階として、ANA提携カードが後回しにされていた可能性があります。
なぜ今回、据え置きが撤回されたのか?
今回の値上げには、主に2つの要因が関係していると考えられます。
① ANA側のコスト構造変化
マイル積算率や搭乗ボーナスなど、ANAカードに関わる特典コストが年々上昇しており、2025年度以降は提携料率が見直されたとみられます。その結果、カード年会費に反映された可能性が高いです。
② ダイナースブランドの統一方針
近年のダイナースはブランド価値を「一律化」する方向にあり、JALダイナースやビジネスカードもすでに同様の改定が実施されています。ANAだけを特例扱いする理由がなくなったといえるでしょう。
値上げで何が変わる?
年会費の上昇により、「解約を検討する層」が出るのは自然な流れです。
しかし、ANAダイナース系カードには依然として次のような強みがあります。
- ANAマイル高還元率(最大1.5%相当)
- ダイナース共通特典(空港ラウンジ・グルメ優待など)
- SFC保有者にとって「ANA上級会員維持コスト」の一部としての価値
一方で、ANA VISAプラチナ、ANAアメックス、ANA JCBプレミアムなど、他ブランドの特典強化も進んでおり、「どのブランドを軸にするか」の見極めが重要な時期に入っています。
まとめ:据え置きは一時的な経過措置
今回のANAダイナース年会費改定は、単なる値上げではなく、ブランド統一の最終段階といえます。
「据え置き」は一時的な経過措置に過ぎず、すべての提携カードが本家ダイナースの基準にそろえられた形です。
今後の注目点は次の2つです。
- ANA VISA/JCB/AMEXカードの年会費改定動向
- 提携カード間でのマイル還元率やボーナスマイルの再調整
ANAカード戦略の次の一手を占う重要な局面といえるでしょう。
筆者より
この記事は速報ベースでの考察です。ANAおよび三井住友トラストクラブからの追加発表があり次第、改めて検証します。
最新のクレジットカード・マイル情報を追いたい方は、YouTubeチャンネル「アラフィフのいわっさん」でも動画解説を公開しています。ぜひチェックしてみてください。
▶ YouTubeチャンネルを見る

